無料ETCカードの存在

ETCカードは、その設備コスト回収のために、「年会費などが必要なもの」がほとんどでした。
クレジットカード機能と統一して発行しているケースも多いため、クレジットカードと同程度の年会費がかかるのが一般的な状態でしたが、近年では新しいシステムの導入など、コスト対策が進んだことから、年会費などが無料のETCカードも出回っています。
ETCカード自体の機能は差別化できないものなので、どのカード会社を使っても同じです。そのため年会費がかかるカードとかからないカードが存在するのであれば選ぶべきカードは後者といえるでしょう。
また、ETCカードには「発行手数料」というものがかかります。これはカードの申し込みを申請してから発効までに、事務手数料などが発生するためです。
しかし、この事務手数料もかからないカードが出ています。
以前はETCカードはすこし敷居の高い存在でした。その理由が上述したような年会費や手数料がかかってしまい、車載器を合わせればまとまった金額の出費になってしまうからです。
しかし、年会費や手数料が無料のカードが登場してきたおかげで、その敷居はかなり低くなったといえるでしょう。
無料ETCカードでもポイントが付く

年会費がかかるETCカードの場合、ポイント付与率などで差別化を図る会社も存在します。
このポイント付与率が、他の会社よりも高いかわりに年会費や手数料がかかるという仕組みです。
たしかに年会費や手数料を徴収できれば、その分会社の資金繰りは安定しますから、ポイントを多く付与してもなにも問題なく差別化できるように思えます。
しかしシステム導入などによるコスト対策がしっかりしている会社では、なんと「年会費や手数料が無料な上にポイント付与」までできていしまう会社もあるのです。
無料ETCカードで選ぶべき基準

いくら年会費が無料になったとはいえ、そのカードのサービスが使い物にならないものであったなら、そのカードを利用する意味はないでしょう。一定の選定基準を明確にすることで、より便利なカードに出会うことができます。
ポイント還元率
まず挙げられる基準は、「ポイント還元率」です。
ポイント還元とは、カードを利用するたびにカード会社からポイントが与えられ、貯まっていくシステムです。
貯まったポイントは、特定のショップでお金と同じように扱うことができ、商品が購入できます。ここで注意したいのが「ポイントが使えるショップ先」です。
大手ネットショッピングモールなどで使えるのであれば、自分の購入したい商品に使うことができて大変便利ですが、もしポイントを使える先が限られていたら、せっかく「貯まったポイントが無意味」になってしまいます。
よく使うネットショッピング先
また自分が「よく使うネットショッピング先」かどうかも重要です。
保障
もう一つ、上げておくべき基準は「保障」です。
近年クレジット市場はインフラの整備も相まって誰でも手軽に使える環境になりました。ネットから「ワンクリックで利用できる」手軽さは非常に魅力的でしょう。
しかしその手軽さと比例するように、ネットショッピングでの犯罪も増加しています。
そのため、大手企業や保証サービスが充実した会社を選んでおけば、実は現金取引よりも安全に買い物をすることも可能なのです。

おすすめのETCカード

年会費無料のカードのおすすめはライフカード
青い爽やかな外観が印象的なライフカードは、「年会費手数料無料」のETCカードの筆頭です。ライフカードの一番の特徴は、「ポイントの価値の高さ」にあります。
通常のETCやクレジットカードに付与されるポイントは 1ポイント1円前後ですが、ライフカードの1ポイントは、なんと10円前後の価値があります。
ポイントの有効期間も5年と非常に長いので使わない間にポイントがなくなってしまったなどの状況を気にする必要はありません。発行にかかる日数も3日程度なので非常に手軽に利用することができます。
還元率の高さならオリコカード
ETCなどのカード利用によるポイントを比較する際に必ず目が行くのが、ポイントの還元率でしょう。どんなに便利なカードでもポイントの付与率が低ければ使う気にはなりません。
その点オリコカードは、「業界随一の還元率」を誇る優秀なカードです。
オリコカードのクレジットカード機能はネットショッピングと非常に相性がよく、アマゾンやヤフーショッピングのオリコモール経由なら「最大で2%の還元率」になります。
オリコモール内のショップ還元率は15パーセントのものもあるので、うまく使えば16%越えも夢でありません。

少額年会費でお得に使える楽天カード
一般的なクレジットカード機能付きETCカードの年会費は、10,000円から20,000円というものが多いですが、楽天カードは「年会費540円」という格安の値段でETCカードが利用できます。
このカードの特徴は、ガソリン代の支払いの際に楽天カードを使うと、100円で2%の還元率という点をうまく使うことで生かされてきます。
ETCカードを利用するということは、車を利用することとほぼ同義ですから、当然のことながらガソリン代がかかってきます。このガソリン代を楽天カードで支払うことで、「高還元率の恩恵」を受け、年会費を回収することができる仕組みです。
楽天カードの還元率は、100円で2パーセントの還元率なので、3万円程度ガソリンを使えば回収できます。年間のガソリン代が3万円以上かかる人は多くいますから、ほぼ車ユーザーの9割以上をカバーしているといえるでしょう。

日常生活で便利に使いたいならセゾンインターナショナルカード
現在コンビニ最大手のセブンイレブンを頻繁に利用しているなら、セゾンカードはもっとも相性がいいカードになるでしょう。
西友やサニー、セブンイレブンで買い物をすると「5パーセントオフの特典」があるのが、セゾンインターナショナルカードです。
さらにセブンイレブンで買い物をするときに便利なnanacoポイントもたまるため、両方のカードの恩恵が受けられます。貯まったポイントの有効期間はなく、好きな時に使うまでためておくことが可能です。
「紛失盗難などの保証」もついており、安心して使える一枚になっています。
安定のJCBカード
クレジットカードのブランドとして真っ先に挙げられる、JCBもETCカードを発行しています。デザインもシンプルでどこに行っても使える優れた機能性を持っています。
「ポイントの還元率も高く、100円で1ポイント」という高設定です。もちろん「年会費も無料」で、現状もっとも使いやすい一枚といっても過言ではないでしょう。
またJCBカードの特徴として、「保険機能が充実」していることです。買い物による保険は最大2,000万円までカバーしてくれるため、安心して利用することができます。
もう一つの特徴として、「申し込み条件が39歳以下」という点があります。これはカードを利用している途中で39歳を超えても問題なく使えるため、利用申し込み時点での条件になります。
デザインもオシャレ、保険機能もしっかりしているとくればぜひ押さえておきたい1枚といえるでしょう。
最低でも一回はETCを利用するという方向けカード
CMでも非常に有名な三井住友VISAカードです。このカードの名称はCMでフレーズが耳に残っている人も多いのではないでしょうか。
クレジットカードでは王道として紹介されることが多い三井住友VISAカードですが、ETCカードとしても優秀です。
「発行手数料は無料で、年会費が500円」かかる設定ですが、なんとを1回でも利用すればその年の年会費は無料になります。そのため1度でも高速道路を利用するという人は、「ETCの機能を実質無料」で利用することができるのです。
三井住友VISAカードには二つのランクがあり、「クラシックカード」と「クラシックカードA」というランクに分かれます。
また女性の場合は、女性専用ランクである「アミティエカードがお得」です。
三井住友VISAカードのポイントは、楽天ポイントなどの他社ポイントに移行することが可能なため、移行先でのショッピングが多い場合はより有効に使えます。
商品券との交換も可能なため、現金付与とほぼ変わらない内容になっています。ポイントの利用範囲が多いことから、無駄なポイントが貯まり使い道がないという状態にならない点が、非常にメリットの大きいカードです。
年会費無料のETCカードの種類

ETCカードには、年会費が「有料」のものと「無料」になるもの、この二種類が存在しますが、年会費無料のETCカードの中でもいくつかの種類に違いがあります。
クレジットカード会社の発行するクレジットカードに、追加として発行される「一般的なタイプ」のETCカードと、「ETCパーソナルカード」です。
この二つの種類のETCカードはそれぞれに違いがあり、その違いの一つが「費用が発生するポイント」になります。
一般的なETCカードの場合、
- 元のクレジットカードの年会費
- ETC自体の年会費
- ETCカードの発行や申請にかかる手数料
の3点が費用が発生するポイントになります。
それぞれのポイントでカード会社に差があり、3ポイントの全てで費用が発生する会社もあれば、すべてが無料で完了する会社、最初は費用が発生するが利用頻度に応じて無料になる会社の3パターンが主流の種類といえるでしょう。
ETCカード自体は決済用のものなので、そこまでの差はつきません。もしもクレジットカード側の機能に、そこまでの大きなこだわりがなければ値段の差という話になるので、費用発生が全くない完全無料のETCカードを選ぶべきでしょう。
またETCパーソナルカードは、クレジットカードの発行を必要としないカードのことで、クレジットカードの場合は顧客の信用情報によって支払いを担保します。
ETCパーソナルカードの場合は、デポジットという事前入金制度によって、顧客の支払い信用能力を担保する形式をとっています。
ETCパーソナルカードの口座にデポジットとして入金したお金は支払いに充てられるわけではなく、デポジットはそのままで別途口座から引き落とされる形になります。引当金というニュアンスがしっくりくるのではないでしょうか。
ETCパーソナルカードの手数料
これはクレジットカードを持っていない人にとって非常に大きなメリットといえるでしょう。しかし、そんな便利なETCパーソナルカードですが、手数料についてはどうでしょうか。
ETCパーソナルカードも、クレジットカードやETCカードと同じように「申請の手続きが必要」です。所定の機関へ申請する手間と手数料はコストといえるでしょう。
そして、ETCパーソナルカード独自の機能である、デポジットもコスト面では、「通常のETCカードに比べると不利」といえるかもしれません。
ETCパーソナルカードのデポジットは、原則的に使用頻度が高ければ高いほど、デポジット額も高くなります。支払のための引当金としての役割を担っているのでこのようになるわけです。
デポジットは支払には使えないお金なので、デポジット口座においておく必要があります。これは実質的には手数料やコストと同じだとみる人も一定数いるでしょう。
デポジットで引き当てたお金は解約時に戻ってきますが、その期間、預けたお金は使えないので、手元から離れていると感じる人もいるのです。
ETCパーソナルカードが発行され始めた初期段階において、デポジットの金額は最低でも4万円でした。もしこれがETCの車載器など最初から一式そろえなければいけないような人だと、非常に高額な負担になるわけです。
こうした面からデポジットは手数料という発想が生まれます。
安くなってきたデポジット料金
こうした背景を受けて行動した団体があります。
- NEXCO東日本
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
- 首都高速道路株式会社
- 阪神高速道路株式会社
- 本州四国連絡高速道路株式会社
の計六団体が合同で、定額デポジット機能付きETCパーソナルカードを開始したのです。
このカードの内容は、顧客の利用額が月に5,000円以下のライトユーザーに関しては、今まで最低デポジット金額40,000円だったところを20,000円へと下げたのです。
これによって半年に一回程度しか旅行に行かないような人にとっては、ETCパーソナルカードは「非常に手軽に利用できるカード」へと変わりました。
ただしこの定額デポジットのカードについては、注意が必要です。
たとえば旅行に行った際に、予定が少し変わってしまったため、思った以上に長い距離を走行したとします。そうした場合は「追加のデポジットが必要」になってしまうのです。
目安としてはおおよそ14,000円以上の走行が基準になってくるようです。
この金額よりも多く走行した場合は、追加デポジットが必要になるため、最終的には値下げ前とあまり変わらない状況なのではという声も上がっており、今後の対応が注目されます。
クレジットカード機能付きETCカードとETCパーソナルカードの比較検討

現状では高速道路の自動支払ゲートを利用するには、通常のETCカードかETCパーソナルカードのどちらかを利用する選択肢になるでしょう。
そうした際に、どちらのカードがより利用目的に合っているか比較検討する必要があります。比較項目としては支払方法に差はないため、カードを利用する際のコストがカギとなります。
通常のETCカードでは信用情報が支払担保となるため、ETCパーソナルカードのようなデポジット機能は必要ありません。
またデポジット機能は走行距離に応じて追加の費用が負担になるなど、手間もいくつか残っています。そのため、特段の理由がなければ通常のクレジットカード系のETCカードを使用したほうが不便さがない形になるようです。
ETCカードを選ぶ際に気を付けておく基準
ETCパーソナルカードと通常のETCカードであれば後者のほうが、デポジットなどのコスト面では有利になるとなりますが、ETCカードを選ぶ際に気を付けておきたいのが、「保障の度合」です。
手数料無料のカードの中でも保障の度合には差があるため、できるだけ安全に利用できるカードを選んでおく必要があります。
カードの利用が無料でさらに安全対策も完璧。これが理想のカードを選ぶ一番の基準といえるでしょう。